VOGUE JAPAN

5年に一度の「ドクメンタ14」から見えた、魅力的作品とギリシャの現実。

アテネ→ドイツのカッセルで開催中の「ドクメンタ14」。5年に一度、通常はドイツで行われるこの国際現代美術展に、デジタルクリエイターのナカヤマン。がアテネに訪れた。先のヴェネチア・ビエンナーレ(Part1, Part2)に続き、彼がギリシャで見たアートの光景とは。

2017年は10年に一度のアート・イヤーと言われている。2年に1回開催の「ヴェネチア・ビエンナーレ(Venice Biennale)、5年に1回の「ドクメンタ(documenta)」、10年に1回の「ミュンスター・彫刻プロジェクト(Skulptur Projekte Muenster)」が重複開催されるからだ。この旅では過去2回に渡ってヴェネチア・ビエンナーレの記事を寄稿したが、今回はアテネで開催中の「ドクメンタ14 (documenta14)」に関して書かせていただく。


まずは「ドクメンタ」について簡単に説明する。ドクメンタは5年に一度、ドイツの都市カッセルで開催される国際現代美術展だ。ヴェネチア・ビエンナーレに匹敵するほど美術界に与える影響が大きいとも言われているが、初回開催は1955年。アーノルド・ボーデのディレクションの下、ナチスによって弾圧されたモダン・アートの価値再提案のコンセプトで開催された。

この第1回を踏襲して、開催毎に一人のディレクターがテーマと作家を選出する形式だが、本年度はアダム・シムジックのディレクションの下「Learning from Athens(アテネから学ぶ)」というテーマで同タイトル初の2都市開催。カッセルに加えてアテネでも開催されている。

アテネ訪問の前にギリシャ人の知人に聞いてみたが「ここ数年、アテネを訪れるたびに寂れていくのが分かる」状況らしい。ドクメンタ14を訪れると当然、上記コンセプトの展示と同時に、現状のアテネを目の当たりにすることになる。体験してみての感想だが、アテネで作品を見ることで伝わる何かは確かにあると感じた。

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